EVERLAND SPEEDWAY 4.346km
2019.04.28(Sun) 14℃ 曇り時々晴れ
決勝は曇り空,肌寒い朝となりました。朝9:00時点の気温は11℃。4月下旬にもかかわらず朝晩は冷え込み,羽織るものが必要でした。メディアセンターで受付を済ませピットに向かうと,9:30から始まる練習走行に向けて,各チーム慌ただしく最終調整を行っていました。
9:30 練習走行開始。各チーム勢いよくスタートラインに向かいます。
日曜日の練習走行タイムは,全チームおおよそ1分56秒〜57秒台。予選に比べて約2秒程度遅いタイムです。決勝直前の練習走行だけに,速さよりも本番レースを想定した調整を行っている様子でした。
練習走行を終えた選手はメカニックに車の状態を伝え,午後の決勝レースに向けて微調整に入ります。下の写真は練習走行直後のTEAM106リュ・シウォン監督。車から降りると,すぐメカニックに身振り手振りで車の挙動を伝え,自身も細部を確認します。
SUPERRACEはワンメークレース(同一車種で行われるレースのこと)ですが,タイヤだけは複数メーカー参入しています。主には韓国タイヤとクムホタイヤの2社ですが,今シーズン,HUNTER INJE RACING TEAMはミシュランタイヤ, PURPLE MOTORSPORTはヨコハマタイヤを採用しました。ただし,INJEチームのミシュランタイヤは万全ではない様子で,ピットは慌ただしい雰囲気でした。
練習走行が終わりメディアセンターに戻ると,KARA(韓国自動車競争協会)の方が大きな紙袋を持ってご挨拶に来てくださいました。紙袋の中には記者全員分のアイスコーヒーとティラミス。毎年,最終戦に差し入れをしてくださるのですが,今年は開幕戦も気を遣ってくださいました。
SUPERRACEのメディア活動をする以前に,仕事で韓国の大手企業に出張していた時期があります。その時に受けた「おもてなし」は素晴らしく,深く感動した記憶があります。その出張先では,会議の席にお菓子と飲み物が置いてあり,会議中,自由に飲食できること。また,一日の中で複数の会議がある場合,会議室に移動するたび,新しい飲み物とお菓子が提供されること。そして会議中のプレゼンテーションは,お客さま向けに洗練されていることなど。相手を尊重し,そして魅せる努力を惜しまない韓国文化。日本企業も見習うべき点だと反省したことを思い出しました。
そんなことを思い出しながらアイスコーヒーを頂いていると,ビシッとスーツ姿で決めた男性数名がメディアセンターに入ってきました。記者一人ひとりに深々とお辞儀をし,紙袋を手渡します。紙袋には「KUMHO TIRE」のロゴが記載され,中にはプレスキットが入っていました。
レースでは競合他社の韓国タイヤに苦戦しているクムホタイヤですが,営業力では負けていません。魅せる努力を惜しまない韓国文化を実感した一場面です。プレスキットの内容は翻訳し,改めてAUTOCARFE新サイトにアップしたいと思います。
11:50 グリッドウォークが始まりました。決勝の来場者は29,764名。過去最高の観客数です。
グリッドウォークが終わると,開幕戦のセレモニーが始まりました。
12:30 ランチタイム。ここでパドック裏のイベント会場をご紹介しましょう。CJ SUPERRACEはレースだけではなく,家族で楽しめる各種イベントがあります。
子供だけではなく,大人も楽しめる企画もありました。下の写真はタイヤ交換のタイムを競うゲームです。お父さんが係員の指導を受けながらホイールのネジを外しています。子供たちからの「パパ,ファイティン!」の声援に張り切るお父さん。微笑ましい光景です。
14:45 ASA6000クラス 決勝開始。ドライバーはヘルメットを被り,車に乗り込みます。
フロントローはSEOHAN GPの2台。その後ろに昨年のチャンピオンチームATLASBX RACING TEAMのチョ・ハンウ監督が並びます。
フォーメーションラップの後,ローリングスタート(ホームストレート上に静止することなく,グリッド順の隊列を組んで走行したまま加速しスタートする方式のこと)。ASA6000クラスは21周,4.346km/周で行われます。
ポールポジションのキム・ジュングン選手(SEOHAN GP)が42分49秒731のタイムで優勝。キム・ジュングン選手の優勝は2014年10月以来,約5年ぶりの優勝です。2位はキム・ジェヒョン選手(VOLLGAS RACING),3位は柳田真孝選手(ATLASBX RACING)。予選3位のチョ・ハンウ監督(ATLASBX RACING)は終盤まで2位を走行していましたが,18周目にキム・ジェヒョン選手(VOLLGAS RACING)と接触し14位に後退。残念な結果となりました。
16:30 ASA6000クラス表彰式。5年ぶりの優勝キム・ジュングン選手(SEOHAN GP),待望の表彰台です。
クムホタイヤ勢の最上位は4位井出有治選手(ECSTA RACING) レース終了後,クムホタイヤ関係者にレース状況について説明をしています。
17:30 記者会見。当初の予定では,ASA6000クラス→GTクラス→BMWMクラス→Radical Cup Asiaの順に行われる予定でしたが,ASA6000クラスの最終審議が終わらず,ドライバーが集まれない状況でした。その後,優勝したキム・ジュングン選手,3位の柳田真孝選手が姿を現しましたが,2位のキム・ジェヒョン選手がなかなか来ません。結局,ASA6000クラスの記者会見は一番最後に変更となり,最後に現れた選手は,2位のキム・ジェヒョン選手ではなく,4位の井出有治選手でした。2位のキム・ジェヒョン選手はチョ・ハンウ監督(ATLASBX RACING)との接触によるペナルティで4位に後退し,これにより井出有治選手が繰り上げ3位となりました。
最終結果は以下の通りです。1位〜8位までのうち,韓国タイヤ6台,クムホタイヤ2台。開幕戦のタイヤ競争は韓国タイヤの圧勝です。ファステストラップ(決勝レースでの 全ドライバー中,コース一周回が最も速かった選手,およびそのタイム)は優勝したキム・ジュングン選手(1:55.552)。ポールトゥウィンで優勝したキム・ジュングン選手はパーフェクトゲームと言えるでしょう。
次回CJ SUPERRACE 第2戦は4月25日(土)予選,4月26日(日)決勝,同じくヨンインエバーランドスピードウェイで開催します。
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