EVERLAND SPEEDWAY 4.346km 2019.05.25(Sat) 28℃ 晴れ
開幕戦から1ヶ月,再びエバーランドスピードウェイで第2戦が行われました。今回も前回同様,最終便でソウルに入り,翌朝ヨンインに向かいました。先月は肌寒かったソウルですが,今回は日本よりも暑く,初夏の陽気で汗ばむほどでした。
エバーランドスピードウェイに行く時は,渋滞を避けるためソウル市内を通らず,仁川空港から龍仁(ヨンイン)行きのリムジンバスに乗ります。仁川空港から終点のヨンイン公共バスターミナルまでの所要時間は約1時間半,途中,水原付近で渋滞がある場合は約2時間かかります。
ヨンイン行きのリムジンバスの本数は,仁川空港からは20分に1本,金浦空港からは1時間に1本あります。金浦空港から乗っても所要時間は1時間半から2時間かかり,仁川空港発とあまり変わりません。ですので,仁川空港から乗った方が待ち時間が短く,時間に無駄なく移動することができます。
尚,エバーランドスピードウェイへの行き方は,改めて「HELLO KOREA」に掲載予定です。ツアーではなく個人で行かれる方は是非参考にしてください。
10:10 エバーランドスピードウエイに到着。10:15から始まるASA6000クラスのウォームアップに間に合いました。第2戦の参加チームは12チーム,出場台数は20台。第1戦に参戦していたPURPLE MOTORSPORT,HUNTER INJE RACINGの2チームは今回お休みです。
いよいよウォームアップ開始です。朝のウォームアップは予選直前の最終調整の場であると同時に,予選通過タイムを想定する場でもあります。
ウォームアップの結果を見てみましょう。
1位,2位は昨シーズンのチャンピオンのATLASBX MOTORSPORTSで,1分54秒台後半(青ライン)です。1分55秒台(赤ライン)には,3位から11位までの9台が入りました。
さらに詳しく見ると,6位柳田真孝(ATLASBX)から10位チョン・ヨニル (ENM)までの差は0.1秒台。つまり0.1秒差の中に5人のドライバーが入っています。また昨年まで上位に食い込めなかったリュ・シウォン監督(TEAM106) が金曜日の練習走行で自己ベストをマーク,土曜日のウォームアップでも1分55秒台をキープし7位に食い込むなど,各チームの実力が拮抗しているのが分かります。
開幕戦のQ3進出タイムは1分55秒742,第2戦では開幕戦の課題を修正し,さらにウォームアップタイムという点を考慮すると,第2戦のQ3通過ラインは1分55秒台前半から半ばあたりだと想定できるでしょう。
10:40 MINI Challenge Koreaの練習走行が始まりました。
11:50 ピットウォークが始まりました。開幕戦に比べると観客は少なめですが,それでも多くの家族連れで賑わいました。
多くのチームでは,選手サイン会,記念撮影を行なっていました。子供だけではなく,両親たちも嬉しそうです。
12:30 ランチタイム。イベントコーナーには赤い大きなパラソルにベンチが設置されており,ここで観客はお弁当を食べたり,コーヒーを飲んだりします。お天気に恵まれて,少し暑そうですね。
サーキット内を歩いて見ましょう。開幕戦では仮設テントがパドックだったRadical Cup Asiaですが,今回はグランドスタンド側に設置されました。また開幕戦では,ほとんどの車が塗装されず白のボディでしたが,今回はカラフルなボディに変わっています。
次はパドック裏に行って見ましょう。暑さのせいでしょうか,レーシングスーツを干していますね。SUPERRACEの場合,レーシングスーツはひとりのドライバーに対し2着準備するそうです。この2着は土日で着替えるのではなく,土日を通して着るそうです。つまり残りの1着は予備になりますね。予選で汗をかいても,決勝でも同じスーツを着ることになるため,このように干しているのでしょう。ドライバーも大変です。
さらに奥に進んで見ましょう。大手メーカーが立派な販売ブースを設ける中,人通りがほとんどないサーキットの隅で何かを販売しているようです。近づいて見るとホイールとエンジンオイルを販売していました。
英国「A KAHN DESIGN」のホイールRS600 を1,075,000ウォン(日本円で約10万円)で販売していました。日本のオートバックスで購入すると15万前後するので特価になりますね。
その近くにはMINI Challenge Koreaのパドックがありました。ボンネットを開けてエンジンルームの風通しをよくし,エンジンを冷やしています。まるで動物が喧嘩をしているようで可愛いですね。
15:00 予選開始20分前。ピットに戻ると,各チーム慌ただしく準備を始めていました。2019年の予選は昨年同様ノックアウト方式で行われます。予選を3回に分けて,予選1→予選2→予選3と進みます。途中のラウンドで一定の順位になれなかった選手はノックアウトとして敗退し,順位確定させて,勝ち残った選手が次のラウンドに進む方式です。予選3まで勝ち残った選手は,その結果をもって順位が確定し,一番速いタイムを出した選手がポールポジションとなります。
15:20 予選1が始まりました。予選1は15分間のタイムトライアルで行われ,上位15台が予選2に進出できます。
予選1の結果を見てみましょう。
1位はキム・ジョンキョム(ATLASBX MOTORSPORTS) 1分54秒911,2位はジャン・ヒョンジン(SEOHAN GP) 1分54秒937,その差0.026秒。また1位〜予選通過15位の差は1.171秒。つまり1.171秒の中に15台がひしめく激戦となりました。
3回の予選を勝ち抜くためには,予選を長い目で見て,極力少ない周回で各予選を終え,タイヤを温存したチームが有利になります。今回,ATLASBX MOTORSPORTSは,チーム戦略として1周しか走りませんでした(写真青マーク)。練習走行の結果から予選通過タイムを想定し,1周目で通過できると判断した場合,早々に切り上げて予選2に備えます。ただしこの戦略は余裕があるチームにしかできない戦略ですね。
予選1を終えた各チームの様子
15:45 予選2が始まりました。予選2も15分間のタイムトライアルで行われ,上位10台が予選3に進出できます。
予選2の結果を見てみましょう。
1位は,キム・ジョンキョム(ATLASBX MOTORSPORTS) 。予選1に続いて1位通過です。開幕戦優勝のキム・ジュンクン(SEOHAN GP),好調のリュ・シウォン監督(TEAM106)は,ここで惜しくも敗退です。予選通過ラインは1分55秒578。ハイレベルな戦いとなりました。
また上位5選手の周回を見ると,1周目がベストタイムです(写真青枠)。走行距離に応じてタイヤは消耗しタイムが伸びないことや,予選3に備えるため,1周目のタイムを見て早々に切り上げ,ピット戻っていました。
それでも予選通過ギリギリの選手は,10位以内に入るために走り続けます。予選を通過する確信を得ないままレースを終えて,その結果,通過できなければ後悔することになるからです。走れば走るほどタイヤは消耗し,ベストタイムの確率は下がると分かっていても走るしかなくなります。精神的に追い込まれながら予選を戦う選手たち。予選の中にもドラマはあります。
惜しくも予選2敗退のTEAM106。予選終了時間まで走り続けました。車から降りるとレーシングスーツを脱ぎながら,ただただひたすらにモニターを見つめるリュ・シウォン監督。練習走行が好調だっただけに未練が残ります。
16:10 予選3が始まりました。予選3は10分間のタイムトライアルで行われ,翌日にある決勝のスターティンググリッドが決まります。
ポールポジションを狙うATLASBX MOTORSPORTS。モニター前にスタッフ,メカニックが集まます。
予選終了を6分も残し,ピットに戻ってきたキム・ジョンキョム選手。予選3も1周しか走っていません。タイムは1分53秒936。1発アタックで脅威の53秒台を叩き出しました。
その後,チョ・ハンウ監督も戻ってきました。タイムは1分54秒270。戻るなりメカニックとがっちり握手。キム・ジョンキョム選手との1・2フィニッシュを確信したのでしょう。
予選3の結果を見てみましょう。
ATLASBX MOTORSPORTSが1・2フィニッシュ,3位に新チームVOLLGAS RACING TEAMのキム・ジェヒョン選手が入りました。タイムは1分54秒978。開幕戦2位で40㎏のハンディキャップがあるにもかかわらず54秒台のタイムは素晴らしい記録です。今シーズン楽しみなチームですね。
17:30 全てのスケジュールが終了しました。
レース場を去る時,ふとTEAM106を見ると,メカニックが机の上で眠っていました。練習走行のタイムが良かっただけに悔しい想いをしたことでしょう。今日,良い結果が残せなかったとしても,いつの日か,この経験が実を結び,花開く時が来るでしょう。
お疲れさまでした・・・
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