SUPERRACE第5戦は毎年恒例のナイトレース☆
今年もインジェスピーディアムサーキットに行ってきました。
ソウルからインジェまで2時間あれば到着するのですが,7月月末の行楽シーズンということもあり4時間半かかりました。インジェまでの交通手段は車かバスしかないので毎年時間が読めず大変です。
インジェサーキットに到着し,夕方のグリッドイベントまで時間があったので,インジェスピーディアムホテルのレストランでブランチしました。案内された席に行くと,壁に懐かしい写真が飾ってありました。
1年前のことですが,なんだか懐かしいですね。
昨年までナイトレースの予選は決勝と同じ日に行われていましたが,今年は6000クラスのみ決勝前日に行われました。これにより予選が月末の平日となったため,今年は仕事の都合で予選は観戦できませんでした(泣)
残念ながら写真はありませんが,予選の結果を纏めてみました。
上から順にQ1予選結果→ Q2予選結果→ Q3予選結果(決勝グリッド)と見てください。1位の選手の下に記載している数字はLAPタイム。2位以下の選手の下に記載している数字は1位の選手とのギャップになります。
赤枠は注目のドライバーです。
図①チョンウィチョル選手(ECSTA)。Q1, Q2, Q3全ての予選を1位で通過しポールポジションを獲得しています。タイムを見ると3位以下のチームに約0.5秒以上の差をつけています。前回レースも優勝しており,現時点での最速ドライバーと言えるでしょう。
図②キムドンウン選手(Team Korea Express)。Q1, Q2は3位,Q3は4位と安定しています。今シーズン開幕2連勝したにもかかわらず,第3戦,第4戦でポイントを逃したため,本大会では確実にポイントを獲得したいところです。
図③キムジェヒョン選手(E&M) 。1995年生まれの21歳。コリアカートチャンピオン出身。高校在学中にKSFに参戦し,2013年KSFチャレンジレース優勝,2014年KSFジェネシスクーペ20クラス優勝など華々しい経歴のある若きドライバーです。今年からSUPERRACEに参戦し6000クラスの実力を少しずつ身につけています。この第5戦の予選で才能開花の兆しが見えます。
インジェサーキットの夕方,陽が沈み始めました。
いよいよナイトレースの開幕です。
イベント開始前のリュシウォン監督。今シーズンは車の調子が良いにもかかわらず,結果が伴わず悔しい思いをしています。グリッドイベント前にも厳しい表情でメカニックに指示を出していました。
18時からグリッドイベントが始まりました。
今シーズン圧倒的な強さを誇るECSTAレーシングチーム。常に優勝を狙える二人の実力派ドライバー,チョンウィチョル選手,井出有治選手を抱えるキムジンピョウ監督は幸せ者ですね。
ECSTAを追いかけるTeam KoreaExpressチーム。強いチームですが,いつもアットホームで見ていて心が癒されます。監督とドライバーの人柄でしょう。
予選2位のチョハンウ監督(ATLASBX)。予選1位のチョンウィチョル選手との予選タイム差は僅か0.07秒。前回優勝を逃しただけに,今回は優勝狙います。
スーパールーキーのキムジェヒョン選手(E&M)。笑顔が爽やかでキラキラ感満載です。頑張って表彰台目指して欲しいですね。
常に人気No.1のteam106。サーキット場ではあまり笑顔を見せないリュシウォン監督ですが,この日は穏やかな表情でした。
ん?あんな高いところに上っているのは… カメラマンのオファン氏^^
撮影には絶好の場所だけど,どうやって上ったのかな?(笑)
20時半からドリフトイベントが行われました。
これも毎年恒例行事ですね。
22時15分,ピット出口が解放され,いよいよ決勝の開始です。
セーフティカーも準備万端。こうして改めて見るとカッコいいですね。
今年のナイトレースは昨年に比べライトアップが少なくレース場全体が暗い印象を受けました。グリッドに並んだ車もライトを当てて最終調整をしていました。まるで夜間工事です(笑)。せっかくのお祭りなのに,もっと会場を華やかにライトアップして欲しかったな。
さぁいよいよスタートです。
ポールポジションからスタートしたチョンウィチョル選手(ECSTA)は圧倒的な強さを見せポールツゥウィンで2連勝。予選4位のキムドンウン選手(TeamKorea Express)は予選2位のチョハンウ選手(ATLASBX),予選3位のティムベルクマイスター選手(ATLASBX)を抜き2位に浮上。また予選7位のオイルギ選手(第一製糖)は猛追を見せ一時は3位まで上がるものの,最終ラップの最終コーナーで大物ルーキー・キムジェヒョン選手(E&M)がオイルギ選手を追い抜き3位でチェッカーを受けるドラマチックな展開となりました。
優勝したチョンウィチョル選手(ECSTA)。充実したいい顔をしています。
レース終了後のキムジェヒョン選手(E&M) 。SUPERRACE5戦目にして劇的な逆転劇で初の表彰台。大物ルーキー・キムジェヒョンのドラマの始まりです。
記者会見の様子。
こうして見ると,表彰台の選手は若いですね。
2位のキムドンウン選手(24歳),3位のキムジェヒョン選手(21歳)。今後の韓国モータースポーツ界を担う有望ドライバーです。彼らのような有望なドライバーのための育成プログラムや,世界への道を作ってあげられると良いですね。
第5戦終了時点の成績は以下の通りです。
ドライバー1位はチョンウィチョル選手(ECSTA)。
チーム1位はECSTAレーシングチーム。
※CJ SUPERRACEホームページより
このレースで概ねクムホ勝利が濃厚になりました。韓国タイヤの逆転勝利は厳しい状況ですが,後半の巻き返しに期待しましょう。
今回のナイトレースでは前回のような接触事故もほとんどなく,無事にレースを終えることができました。大会関係者の皆さま,深夜までお疲れ様でした。
<番外編>
ナイトレースの翌日,ソウルにてKARA(韓国自動車競走協会)主催の審査強化セミナーが開催されました。ナイトレースで睡眠不足にもかかわらず,レースに情熱を傾けているレースオフィシャルの方々がソウルに集合しました。
レースオフィシャルとは,レースコース上での監視,救急活動からレースの周回タイム計測まで様々で,レースの安全と公正を維持しサポートするスタッフのたちの総称です。レースは表舞台に立つドライバーやチームだけで運営されているのではなく,レースオフィシャルのサポートがあってこそ成り立っています。
講師にはF1,インディカー, SUPER GT等,世界のモータースポーツに長年携わっている日本の国際審判員が招かれました。主な講演内容として,今年から施行されたFIAの新ルール,熱中症の恐ろしさ,救急対策の改善等,CJ SUPERRECEで実践しなければならない内容を具体的に分かりやすく説明していました
※写真は開催者ならびに講演者の了解を得て掲載しています。
その中で前回(第4戦)のレースを振り返り,接触事故の多さと,これによるチーム間のトラブルを回避するための施策について,以下の説明がありました。
今回のナイトレースでは,木曜日のドライバーズブリーフィング終了後,6000クラスの監督とドライバーだけその場に残り,審査委員会からある提案を受けました。
「2台の車が競っている状況で,後ろの車がインから抜く場面では,前の車はイン側に1台分の余裕を残して走行する」
これはあくまでも提案でありレギュレーションではありません。また後ろの車を優遇するものでもありません。ライン取りも勝負の一つでドライバーの戦略ですから,必ずしも全てのケースで適応するものではありません。
前回のレースで,2位を走行する井出有治選手(ECSTA)に3位のチョンヨンイル選手(team106)が接触し井出有治選手がリタイヤしたり,上位を狙うオイルギ選手(第一製糖)とリュシウォン選手(team106)が接触し2台とも上位を逃したりと,レース終了後もチーム間でしこりを残す状況となってしまいました。
また前回のレースだけではなく,韓国のレースそのものが世界のレースに比べ接触事故が非常に多いため,審査委員会は何とかして接触事故を減らそうと対策を検討しています。そして前回のレース状況を受け,何かしらの対策を講じる必要があると判断し,第5戦ではこのような場を設け提案に至りました。
ファンとしては魅力あるドライバーが接触事故でリタイヤしたり,優勝戦線から脱落するのは非常に残念で詰まらないものです。今回の提案はドライバーに「フェアプレイを意識付けさせるための施策」であり,今後もこのような工夫をして接触事故を減らして韓国モータースポーツの底上げを図っていく予定だと話していました。
そしてこの提案が功を奏したのか,ナイトレースでの接触事故は前回レースに比べ大きく減少しました。モータースポーツは「スポーツ」であり,フェアで白熱したレースを実践するもの,それを改めて実感した時間となりました。
さて,いよいよ今週末は日本での開催です。
私は金曜日から富士スピードウェイに駆けつける予定です。
台風が通り過ぎて猛暑が予想されますので,観戦される方は暑さ対策をしっかり行ってくださいね。
最後になりましたが,この夏忙しくて海に行けなかったあなたのために,私の故郷の海をプレゼントします♡ きれいでしょう~自慢の海です^^
それでは富士スピードウェイでお会いしましょう。アンニョン~^^